【紹介】『わたしの美しい庭』凪良ゆう
【紹介】『わたしの美しい庭』凪良ゆう
お久しぶりです、カナです!大学の授業も始まって、割と忙しくなってきたので(それでも読書はかなりできているので毎日充実しています笑)なかなか更新できていませんでした。今日は凪良ゆうさんの『わたしの美しい庭』をネタバレなしで紹介して行きたいと思います。
あらすじ
小学生の百音(もね)は統理(とうり)とふたり暮らしだが、血はつながっていない。朝になると同じマンションに住む路有(ろう)が遊びにきて、三人でご飯を食べる。その生活を”変わってる”という人もいるけれど、日々楽しく過ごしている。
三人が住むマンションの屋上には小さな神社があり、地元の人からは『屋上神社』などと呼ばれている。断ち物の神さまが祀られていて、悪いご縁を断ち切ってくれるといい、”いろんなもの”が心に絡んでしまった人がやってくるがーー
構成
現実と誠実に向き合っていく人々の爽やかな連作短編集です。
書影のイメージでファンタジーなのかな、と思われる方がいるかもしれませんが日常を描いた作品です。
おすすめの人
- 生きることが苦しいと感じている人、心が疲れている人
- 本当の”優しさ”ってなんだろう?と疑問に思っている人
- 爽やかで、温かい小説(後味の良い)を読みたい人、または好きな人
と言えども、生きる全ての人におすすめです
わたしが特におすすめしたいのは、、
- 中高生
- お子さんを持つ親御さんです
私が高校生の時に出会っていたら、もっと響いていたかもなという個人的な思いと、統理の百音に対する姿勢がとても素敵なので、子育てをされている方にもぜひ読んで欲しいなと思いました。
『流浪の月』と比べてみると
私、個人の感想でいうと『わたしの美しい庭』の爽やかな読後感がとても好きです。『流浪の月』は夜に雨がしとしと降っているのを途方もなく傍観している感じですが『わたしの美しい庭』は明るい太陽の光を全身で享受するような感じです。夏のお話なので、これからの時期に読むのにぴったりだと思います。
感想
生きていると、どうしても自分だけが苦しい思いをしているのではないかと高校生だった頃のわたしは悩み続けていました。そんな時、わたしを救ってくれたのは沢山の本と一人の友人でした。本の中の世界に没頭して多くの人の悩みを体験することで、なんとか自分を保っていました。そして心の内を素直に話すことができるその友人と出会えなければ、わたしの心は死んでいたのかもしれません。こうして、やっとわたし自身が俯瞰して物事を見ることができるようになったのは、自分の悩みからなんとか逃げないで向き合うことができたのと時の経過があったからだと思っています。わたし達は一人では生きていけない。どうしても辛くて逃げ出したい時、誰かにその悩みを打ち明けられたら一番良い。でも、それができない時も必ずある。そんな時にこの本は優しく寄り添い、あなたの相談相手になってくれると思います。
失うことや持ってないことで得られるものもあるんだ(p 270)
みなさんに心躍る、本との出会いがありますように。
カナ(女子大生による読書日記)